ウィズコロナ、消費刺激を打ち出すも感染者の拡大がカギ = 韓国(画像提供:wowkorea)
ウィズコロナ、消費刺激を打ち出すも感染者の拡大がカギ = 韓国(画像提供:wowkorea)
今月初め、段階的な日常回復(ウィズコロナ)へと防疫体系が転換し、韓国政府では被害が集中していたオフラインの業種と損害補償除外業種に対する内需刺激作を全面的に実施した。カードキャッシュバック、消費クーポンの再開などで本格化している内需回復に力を入れるという計画だ。

 ただ、ウィズコロナ以後、新型コロナウイルスの感染者が4000人を超え、重篤患者の増加傾向が続いており、韓国政府の消費刺激策と防疫の状況の整合性が取れていないという懸念がでている。長期的な景気回復に向け、管理可能な範囲内で感染拡大を抑えるべきだという提言だ。

 これに先立ち、韓国政府は新型コロナウイルスが長期化し内需不振が続くと、経済、国民の生活に対する民間消費回復のため様々な手段で民間消費回復を推進した。昨年中断された消費クーポンの使用は、ウィズコロナ開始時点の今月初めから全面的に再開した。オフラインの業種だけでなく、宿泊、スポーツ、観光、芸術など9つの分野で消費クーポンの使用が可能となった。

 政府は第2次補正予算対比超過税収19兆ウォン(およそ1兆9千億円)にも、売上回復のため財源を活用することにした。韓国政府が23日に発表した「超過税収活用案」のうち、国民生活経済支援案を見ると、政府は損害補償の対象から除外された業種に対して超過税収のうち9兆4000億ウォン(およそ9千400億円)を支援することにした。このうち売上回復と消費刺激のために1000億ウォン(およそ100億円)を投入する。事前に発表された内容まで含めると、計1兆9000億ウォン(およそ9千900億円)が投入される。
まず、地域商圏の回復に向け、地域応援商品券やワールド商品券、相生消費支援金の3種パッケージ、1兆8000億ウォン(およそ9千800億円)を年内まで実施する予定だ。また、来年6月末に予定されている特別イベントを5月初めに前倒しして開催する予定だ。来年度予算に含まれた地域応援商品券の発行規模を6兆ウォン(およそ6000億円)追加で拡大する案も検討している。また体験プログラム開発など観光消費の促進を支援し、低所得層などを対象にした文化、スポーツ、訓練施設バウチャー支給を約500億ウォン(50億円)に拡大する方針だ。

 ウィズコロナへの転換や政府の消費刺激策により、第3四半期に低迷していた内需も回復の勢いを見せている。企画財政部によると、11月に入ってカードの売上高が前年同期対比11.6%増加した。11月の消費者心理指数も107.6と、3か月連続して上昇している。

 ただ、ウィズコロナ実施後、防疫状況の悪化が続き、ウィズコロナを継続するかどうか、レベル2へ引き上げるかどうかについては不透明なのが現状だ。長期的な景気回復を続けるためには、今後の感染拡大の勢いがカギとなるだろう。

 ヨンセ(延世)大学経済学科のソン・テユン教授は「現在の状況では追加的な防疫緩和は不可能な状況とみられる。経済的な部分から見ても可能な範囲内で(感染拡大を)コントロールするのが優先だ」と述べた。

 タングク(檀国)大学経済学科のキム・テギ教授も「防疫強化と消費刺激は相反する目標で、二兎を追う者は一兎をも得ずということだろう。今すぐ消費が減ったとしても長期的な消費と景気回復のためには(感染拡大のコントロールに)集中することが重要だ」と述べた。
Copyrights(C) Edaily wowkorea.jp 75