難民問題について報告するチョン・ウソンさん=28日、ソウル(聯合ニュース)
難民問題について報告するチョン・ウソンさん=28日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の親善大使として活動する韓国の俳優、チョン・ウソンさんは28日、ソウルのUNHCR韓国代表部で報道陣にミャンマーのイスラム系少数民族ロヒンギャの難民問題について報告した。チョンさんは韓国も朝鮮戦争の際に故郷を失い、難民になったことがあるとして、「韓国も難民問題の痛みを経験し、その中で国連や他の国から助けられたことを忘れてはならない」と語った。

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 先ごろバングラデシュにあるロヒンギャ難民キャンプを訪問したチョンさんは、「韓国の歴史を振り返ると地政学的に1000回以上侵略された国であり、依然として危険にさらされている」とし、「決してそのようなことが起こってはならないが、歴史が繰り返される時に諸外国が当然、韓国を助けなければならないという心が生まれるよう、今われわれの市民意識と国家意識を示さなければならない」と強調した。

 また「難民問題はわれわれの問題であり、共存し、連帯する方法を探さなければならない」と述べた。

 チョンさんは昨年、韓国南部の済州島でイエメン人らの難民申請が急増した問題に対し、難民を擁護する発言をしたためにインターネット上で非難を浴びた。

 難民の入国に反対する意見について「母親や若者として感じる不安感と懸念を尊重する」としながら、「見知らぬ異邦人に対する漠然とした恐れからくる拒否感もあるだろうが、一部は組織的に嫌悪感情を引き出すために(ネットに)文章を書く人もいた。このような点は心が痛かった」と心境を明かした。

 俳優として社会問題を語ることへの負担感については「俳優は職業で、俳優以前に市民であり、国民だ」とし、「俳優だから社会的共感を放棄するべきだというのは正しくない」と説明した。

 

 ロヒンギャ難民キャンプを訪問したことに関しては「他の難民はいつか自分の土地に帰るという希望があるが、ロヒンギャの難民にはこのような希望もなさそうだった」とし、「世界で最もむごたらしく不幸な難民だと思った」と話した。

 ロヒンギャの難民は2017年8月にミャンマー西部ラカイン州で発生した治安部隊と武装集団の衝突を避け、隣国のバングラデシュに避難した人々だ。同地には70万人以上を収容する世界最大の難民キャンプが形成された。

 チョンさんは「全ての父母はどれだけ困難な状況でも子どもの未来を心配し、教育を最優先に考える」とし、ロヒンギャ難民の子どもたちは事実上教育という希望が断ち切られた状態のため、難民たちがこの点を最も心配していると説明した。

 続けて「現在はロヒンギャ難民がバングラデシュ地域の住民と共生しながら暮らしているが、いつまでも現在の状態が続くわけではない」とし、「韓国を含め、アジアの国家がリーダーシップを発揮してこの問題を解決するよう、われわれ皆が引き続き関心を持たなければならない」と呼びかけた。

 同席したUNHCR韓国代表部のレムス代表は「チョンさんは親善大使として活動し、韓国人を説得したことで多くの人々が難民を理解するようになり、支持者に変わった」とし、「UNHCRでも大きな影響力を及ぼしており、現在の役割を続けてくれることを期待する」と述べた。


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