【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)第1書記がつくった女性音楽グループ「牡丹峰(モランボン)楽団」の中国・北京公演が土壇場でキャンセルとなり、中朝の関係改善ムードに冷や水が浴びせられた格好となった。 同楽団は12日、公演を直前にキャンセルし、航空機で平壌に戻った。公演は12~14日に3回行われる予定だった。 2年余りにわたり冷え込んでいた中朝関係は今年後半から、関係改善の方向へと進んでいた。中国序列5位の劉雲山・共産党政治局常務委員が10月に訪朝したのを機に関係修復に動きだし、金第1書記が結成したモランボン楽団の初の中国公演を通じ、全世界に友好ムードを見せるつもりだった。 だが、リハーサルまで終えたモランボン楽団の公演が土壇場で中止となったことで、両国関係には再び暗雲が垂れこめそうだ。具体的な理由が何であろうが、予定されていた公演が突然中止になったことは、中朝関係に依然何らかのしこりが残っていることを公にした。 中国国営新華社通信は公演中止の理由について、実務レベルのコミュニケーショで行き違いがあったと説明した。この報道を踏まえれば、公演そのものに関する問題で中止となった可能性が高い。 北朝鮮が中国への不満で公演をキャンセルしたなら、中朝関係はしばらく冷却ムードが続くとみられる。 習近平国家主席ら中国指導部メンバーが観覧しないことになり、北朝鮮が不満を示す意味でキャンセルしたなら、中国側も不快に感じ、両国関係に深刻なひびが入ることになりかねない。 さらに、北朝鮮の核問題をめぐる根本的な対立要因が作用したなら、今後の両国関係に大きな影響を及ぼすと予想される。 一部では金第1書記の「水爆保有発言」に中国側が強い不満を示したのが原因だとする分析も出ている。 楽団が北京に到着した10日、北朝鮮は「水素弾(水素爆弾)の巨大な爆音をとどろかせる強大な核保有国になり得た」とする金第1書記の発言を報じた。これに対し、中国政府は同日、「情勢緩和に役立つことをやるべき」と批判していた。 今回の事態は中国国民の北朝鮮に対するイメージを悪化させるとみられる。中国としては北朝鮮の気まぐれな態度をあらためて確認したことになり、信頼し難いパートナーとの認識を持つ結果になったとの分析も出ている。 中国国民の北朝鮮に対するイメージが悪化すれば、中国指導部もまた世論を無視できず、今後の対北政策に影響が出る可能性が高い。 csi@yna.co.kr
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