【ソウル12日聯合ニュース】国際人権団体のアムネスティ・インターナショナルは12日、ソウル市内で行った記者会見で年次報告書を発表し、韓国では政府に対する批判の声など表現の自由を侵害するケースが増えていると指摘した。北朝鮮については、広範囲にわたる権利の侵害が続いていることに強い懸念を示した。
 報告書では市民団体が韓国海軍哨戒艦沈没事件の調査結果を疑問視する書簡を国連安全保障理事会に送ったことに対し、検察が捜査に着手、国家保安法違反罪の適用を検討したことについて、懸念を示した。毎年主管している同アワード式は
 また、ソウルで昨年11月に開催された20カ国・地域(G20)首脳会合(金融サミット)の際、警護安全区域内で集会を禁じる法律を施行したことに対しても、「平和的に集会を行う自由を抑圧した」と指摘した。
 当局に登録していないベトナム出身の労働者が昨年11月、出入国事務所の取り締まりを逃れようとして、工場の建物から飛び降り死亡した事件は、韓国社会で深刻化している外国人労働者の権利侵害にあたるとした。
 北朝鮮に対しては、恣意的な拘禁と拷問、不当な対応により処刑が行われるなど、広範囲な人権侵害が継続していると憂慮した。
 報告書によると、北朝鮮では少なくとも6か所の政治犯収容所に数千人の政治犯が拘束されており、多くの収容者は強制労働を強いられ、小さな違反行為でも処刑されていると伝えた。
 また、国連児童基金(ユニセフ)の報告書と北朝鮮当局の調査を引用し、毎年5歳未満の乳幼児4万人余りが深刻な栄養不足になっているなど、厳しい食糧難に直面していることを明らかにした。
 アムネスティ韓国支部関係者は「(韓国では)国家保安法が継続的に使われ、北朝鮮に対する発言などをできないようにしている」と批判。実際に起訴されなくても表現と思想の自由が侵害されていると指摘した。北朝鮮については、後継体制の構築過程で住民に対する統制が強化され、結社や表現、移動の自由が深刻に制約されていることを注視していると話した。

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