李大統領はソウル・光化門広場で行われた光復節記念式で、「ともに歩む国民、より大きな大韓民国」と題した祝辞を通じ、「南北統一は必ず実現する。統一税など現実的な方策も準備するときが来た」とし、同問題を韓国社会の各界で幅広く論議することを提案すると述べた。
李大統領の提案は、これまで専門家の間で論じられるにとどまった南北統一を公論化し、膨大な資金を要する統一の財源をあらかじめ準備することで実質的な対策を講じるという意味が込められているとみられる。
李大統領は「現在の南北関係は新たなパラダイムを求めている。与えられた分断状況の管理を超え、平和統一を目標とすべきだ」と主張し、平和共同体、経済共同体、民族共同体の順で移行する統一策を提案した。青瓦台(大統領府)は、3段階の統一策は金泳三(キム・ヨンサム)政権のときと似ているが、当時は平和共同体と経済共同体が同時に進行可能な概念だった半面、李大統領の統一策は非核化の重要性を勘案し、平和共同体への移行が必ず先決されるべきだとした点が異なると説明した。
続けて、李大統領は3月26日に発生した北朝鮮の魚雷攻撃による韓国海軍哨戒艦「天安」沈没事件を「平和に対する希望に背く挑発だった」と規定し、「これ以上、北朝鮮のいかなる挑発も起きてはならず、容認もしない」と強調した。
また、現時点で「公正な社会」という価値に注目すべきだと述べた。人類の平和と繁栄の道に向かうには市場経済に必要な倫理の力をさらにはぐくみ、規範化すべきだとの考えを示した。その上で、「公正な社会こそ大韓民国先進化の倫理的、実践的インフラだ。今後、わが社会の全領域で公正な社会という原則が固く順守されるよう最善を尽くす」と述べた。政府は今後も庶民寄りの中道実用政策と生活空間政策をさらに強化し、公正な社会が深く根を下ろすよう最善の努力を傾けると説明した。
李大統領はこのほか、憲法改正、選挙制度と行政区域の改編など政治先進化に向けた課題について触れ、「急変する時代に足並みをそろえ、未来に備えることができるよう一日も早く課題を推進すべきだ。憲法改正も国会で論議が可能だろう」との見方を示した。もはや韓国の政治も「権力の政治」から「暮らしの政治」へと転換すべきだと述べた。政治が集団の利益だけを掲げれば韓国社会は一歩も前進できず、政界の葛藤(かっとう)と分裂は国民の葛藤と分裂につながると指摘し、「今、大韓民国は国の格を高めることができる良い機会を迎えている。国会が積極的に乗り出してほしい」と呼びかけた。
11月にソウルで開催される20カ国・地域(G20)首脳会合(金融サミット)に関連しては、「先進国と開発途上国がともに繁栄できる協力の場にしたい」とし、これは「公正な地球村」に向けた大韓民国の提案だと明らかにした。
一方、韓日併合100年にあたり日本の菅直人首相が10日に発表した首相談話について、李大統領は「日本の一歩進んだ努力と評価しようと思う。日本政府は首相談話を通じ初めて韓国国民に対し、韓国人の意に反した植民地支配を反省し、謝罪した」と評価した。
しかし、「乗り越えるべき課題もまだ残っている」とし、「韓日両国は具体的な実践を通じ、新たな100年をつくっていかなければならない」と述べた。
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