【ワシントン4日聯合ニュース】ミラー米農務次官は、米国政府は最終的には韓国牛肉市場を完全開放すべきとの立場だが、完全開放が韓米自由貿易協定(FTA)議会批准の前提条件となるかは定かではないと明らかにした。
 米通商専門誌「インサイドU.S.トレード」とのインタビューで、ミラー農務次官は、米政府は韓米FTAの批准に何が必要かを検討中だが、韓国との牛肉貿易を国際獣疫事務局(OIE)の基準に完全に符合させることが米国の目標だという点も肝に銘じていると述べた。
 その上で、韓米FTAの批准とOIE基準順守の達成を同一のルートで進めるのか否かは確信できていないとし、これは韓国側に新たな案を提示する前に、米国内で論議すべき部分だと説明した。
 米国は2007年にOIEから牛海綿状脳症(BSE)ステータスを「管理されたリスクの国」と認定されたが、韓国は現在も米国産牛肉の輸入を制限している。こうした状況を韓米FTA批准交渉の過程で打開するか、OIE基準の順守を韓米FTA批准の前提条件とするか、米国内で方針が定まっていないことを示す発言と受け取れる。
 また、韓国内でいまだに米国産牛肉に対する拒否感が強いことから、牛肉市場の完全開放をFTA批准の前提条件とすれば、FTA批准が困難になることも考慮したものと思われる。
 ミラー農務次官は、月齢30か月未満の牛肉に限り輸入している韓国に、OIE基準に従い全月齢の牛肉輸入開放を求める場合は韓国の政策変化を要求するものだとし、FTA批准に向けそうした契機が必要かを言及するのは時期尚早だと述べた。韓国がOIE基準を順守しないことを問題視し世界貿易機関(WTO)に提訴することも可能だが、そうした選択には時間と費用がかかるため、米国としてはほかの選択を望んでいると述べた。



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