【ソウル3日聯合】北朝鮮の全域で食糧難が悪化する中、比較的食糧事情が良好とされる平壌でも今月から6か月間にわたり配給が中断されるなど、5月以降に大量の餓死者が発生するとの懸念が出ている。北朝鮮の人権状況をウォッチする人権団体の「良き友人」がニュースレターで明らかにした。平壌市の一部幹部は、1990年代後半に最悪の経済難に見舞われた「苦難の行軍」の時期でさえ、これほど長期の配給中断はなかったとコメントしている。平壌市民らは若干の予備食糧を確保しているほか、食糧が尽きても地方から購入できるため、配給中断による餓死者はないものの、手持ちの食糧が以前ほどではなく、食品価格も高騰しているため不安を感じているという。
 同紙はまた、平壌市の幹部の話として、2006年と2007年に相次いで洪水被害に見舞われ、肥料不足や、個人・機関が所有する小土地の回収などにより、北朝鮮は市場最悪の事態に陥っていると伝えている。同幹部は、「状況は外から見るよりはるかに絶望的」だとし、平壌をはじめ咸興、清津など主要都市では、「今月から餓死者がでるのではないか」とのうわさが駆けめぐっていると話している。

 北朝鮮全域の協同農場では田植えや苗付けの準備が進んでいるが、肥料やビニールシート、苗、農資材の入手が困難で懸念が広まっている。咸興市のある住民は「いま準備をしなければ今年の農作業はできない。農作業ができなければどんなことになるかわからない」と心配している。

 同団体は同日「第2の苦難の行軍を懸念する」と題した論評を出し、昨今の状況は10年余り前の「苦難の行軍」を思い出させるものだと懸念を示すとともに、この時期を逃せば人命被害が増えるため、南北双方が協力して北朝鮮住民の犠牲を防ぐ方法を求めていくべきだと強調した。

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