昨年、韓国で37万部のヒットとなり話題になった
『무례한 사람에게 웃으며 대처하는 법(無礼な人に笑顔で対処する方法)』
(カナ出版社/チョン・ムンジョン著)を、わたくし幡野が翻訳し、
5/31に白水社より『無礼な人にNOと言う44のレッスン』という題で
出版されました。

理不尽な人、扱いにどのように立ち向かうか、30代前半の韓国人女性
の著者が試行錯誤した実践法が紹介されています。
また、勇敢な実践法の紹介だけでなく、著者の恵まれなかった時代や
困難なときをどのように克服したかが書かれていて、強者の論理ばかり
でないところが気に入っています。

さらに詳しいことは白水社さんの特設ページ
をご覧いただければ、
バッチリお分かりいただけると思います。
また、Yahoo!ニュースのAll Reviewでは書籍のプロローグ(序章)を
読むことができます(こちら
)。

さて、本日のメールマガジンでは、この書籍のキーワードとなる
「무례하다(ムレハダ/無礼だ)」について取り上げたいと思います。

翻訳という作業の難しさについては言うまでもありませんが、
「무례한 사람에게-(無礼な人に~)」というしょっぱなの題名から、
「ああああ~」と頭を抱えました。

日本では、日常的に「あの人、無礼な人ね」とはなかなか言いませんよね。
日本語で「無礼」というと、「無礼者!」というような時代劇のシーン
などしか思い浮かびません……。

でも、韓国では割と使うんです。例えば、人の気持ちを考えずに
ズバズバと失礼なことを言ったりする人に対して、

「에잇, 진짜 무례한 사람이네.」
(エイッ チンチャ ムレハン サラミネ/まったく、ほんとに無礼な人だよね)

と言ったりします。題名のみならず、書籍全体に登場する「無礼な」。
これをどう訳そうか悩みながら翻訳を進めました。

・理不尽な人
・失礼な人

なども考えましたが、編集者さん、校正者さんとも話し合い、
「そのまま残す」ことにしました。
「無礼な」からくるインパクトを大切にしたかったですし、書籍には
様々な「無礼な人」、「無礼な言葉」が紹介されるので、それと
紐づけて韓国を理解してほしかったからです。

その他、書籍のキーワードとなった韓国語の解説などは、
神保町「チェッコリ」で行うことになった刊行記念イベントで
お話しする予定です(イベント詳細
)。
いろんな要素がちりばめられた書籍なので、どんなことを話そうか、
あれこれ悩みながらもワクワクしています。



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