先日、子供の小学校で、「SNSはコミュニケーションが取りにくいから
気を付けよう」というような資料が配られました。
例として、以下のようなやり取りが挙げられていました。
A:明日、行こうと思うんだ。
B:なんで行くの?(どうやって行くの? と交通手段を尋ねている)
A:……。(なんであんたが行くんだ、と責められたと思い、返信できなくなる)
文字でなく会話だったら瞬間的なやり取りができるので、深読みする間もなく、
「え?なんで、って、行っちゃだめ?」
「いや、そうじゃなくてさ、どうやっていくの?チャリ?バス?」
「あ、ああ、そういうこと。チャリだよ」
というやり取りができるのかもしれません。
日本語の「なんで」は確かに曖昧。難しいですね。
韓国語の場合……、
(交通手段を尋ねる)
뭐 타고 가?(ムォ タゴ カ?/何に乗って行くの?)
어떻게 가?(オットッケ カ?/どうやって行くの?)
(なぜ、と言う)
왜 (네가) 가?(ウェ (ネ(ニ)ガ) カ?/どうして(あんたが)行くの?)
と、はっきりしているので誤解することはないでしょう。
本来なら、「なんで行くの?」と発信する側も、
「誤解される可能性がある」ことに気づき、別の言い方にできるのが
理想なのかもしれませんが、言葉について深く意識したことがないと
難しいのかもしれません。
何気ない一言、気のおけない相手でも、言葉選びは
気を付けなければなぁ、と、思った事例でした。
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- <著者:幡野 泉>
アイケーブリッジ外語学院代表。「All About 韓国語」ガイド。 早稲田大学第一文学部卒業。延世大学校韓国語学堂6級修了。同韓国語教師研修所第20期修了。2008年 韓国雄弁人協会主催「第13回世界韓国語雄弁大会」にて統一部長官賞受賞。16年の第21回同大会において国務総理賞受賞。著書 『すぐに使えるシゴトの韓国語』 (アルク)、『シゴトの韓国語 基礎編』 『シゴトの韓国語 応用編』(三修社)、『リアルな日常表現が話せる! 韓国語フレーズブック』(新星出版社)など。翻訳書に『無礼な人にNOという44 のレッスン』(白水社)がある。
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