日本語の「~さん」はとても便利、と以前拙著に書いたことがあります。
男女問わず、年齢もあまり問わず、上司にも部下にも使える……と。
一方韓国は、肩書をきちんとつけないといけないし、部下を呼ぶときも部下に
肩書がある場合は(ある場合がほとんど)、肩書を付けて呼ぶことが多いですね。
さて、そんな日本語の「~さん」。便利さが高じて、題名のように、職業や
会社名にも付けるようになりました。
「通訳さん、ちょっと来てください」
「アイケー工業さん、何時に来ますか?」
厳密に言うと日本語の文法的には誤りかも知れませんが、会話の中では
サラッと聞き流してしまうレベルまで来ましたね。
でも韓国語の場合、「~さん」を「-씨(シ)」にしただけで使えるわけではありません。
×통역사 씨 좀 와 주세요.
(トンヨkサ シ チョm ワ ジュセヨ)
×아이케이 공업 씨는 몆 시에 오시나요?
(アイケイ コンオp シヌン ミョッシエ オシナヨ?)
とてもおかしいです。韓国語にするとなると、
○통역하시는 분(통역 선생님) 좀 와 주시겠어요?
(トンヨッカシヌン ブン(トンヨk ソンセンニm)チョm ワ ジュセヨ
/通訳される方(通訳の先生)、ちょっといらしていただけますか?)
○아이케이 공업 담당자 분은 몆 시에 오시나요?
(アイケイ コンオp タmダンジャ ブヌン ミョッシエ オシナヨ?
/アイケー工業の担当者の方は何時にいらっしゃいますか?)
となります。
日本も以前は「○○(職業)さん」「○○(会社名)さん」は違和感が
あったはずですが、だんだん市民権を得ていることを考えると、
韓国語もいつかどこかが崩れて?いくのかなぁ、と想像したりします。
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- <著者:幡野 泉>
アイケーブリッジ外語学院代表。「All About 韓国語」ガイド。 早稲田大学第一文学部卒業。延世大学校韓国語学堂6級修了。同韓国語教師研修所第20期修了。2008年 韓国雄弁人協会主催「第13回世界韓国語雄弁大会」にて統一部長官賞受賞。16年の第21回同大会において国務総理賞受賞。著書 『すぐに使えるシゴトの韓国語』 (アルク)、『シゴトの韓国語 基礎編』 『シゴトの韓国語 応用編』(三修社)、『リアルな日常表現が話せる! 韓国語フレーズブック』(新星出版社)など。翻訳書に『無礼な人にNOという44 のレッスン』(白水社)がある。
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