あったのでご紹介します。
拙著『今日から使えるシゴトの韓国語』
の中で、「これであなたも韓国人」として、
3つのフレーズを紹介しています。
「정신이 없어요.」(チョンシニ オプソヨ/余裕がありません)
「알아서 하세요.」(アラソ ハセヨ/お任せします。好きにされてください)
「상관없어요.」(サングァノプソヨ/構いません。関係ありません)
うーん、なんとも日本語にしにくいフレーズ群!(笑)
しかし、つい最近、この2番目のフレーズの「알아서」に相応する良い日本語が
あることに気づきました。当校スタッフのメールにこう書いてあったのです。
「そのような状況になりましたら、適宜ご対応ください」
あ、この「適宜(てきぎ)」は、まさに韓国語の「알아서(アラソ)」だな、と思ったのです。
「適宜」で辞書を引くと、
1.その時その場にぐあいよく適するように行うさま。適当。
2.各自がよいと思うようにすること。随意。
とありますね。これぞまさしく、「アラソ」です。
알아서(アラソ)の動詞の原型は、알다(アルダ/知る、わかる)。
알아서になると、「(あなたが)承知の上で」というような意味になりますが
先に紹介した『今日から使えるシゴトの韓国語』の中でも触れているように、
알아서は、場合によっては投げやりの……とまでいきませんが、なんといいますか、
面倒くさくて「いいから、任せる!」というようなときに使われたりもします。
しかし! どうですか?「適宜(てきぎ)」……。「ちゃんとしている感」が出ますよね(笑)。
スタッフの日本語を、アラソを使って韓国語にしてみると……、
그런 상황이 되면 알아서 해 주세요.
(クロン サンファンイ テミョン アラソ ヘ ジュセヨ
/そのような状況になったら適宜対応してください)
ううむ、アラソだと、「適宜」が「適当」の意味になって聞こえてくるのは、私だけでしょうか。
今日は知ってトクする「日本語」のコーナーになりました。
「適宜」、大いに使えますね!
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- <著者:幡野 泉>
アイケーブリッジ外語学院代表。「All About 韓国語」ガイド。 早稲田大学第一文学部卒業。延世大学校韓国語学堂6級修了。同韓国語教師研修所第20期修了。2008年 韓国雄弁人協会主催「第13回世界韓国語雄弁大会」にて統一部長官賞受賞。16年の第21回同大会において国務総理賞受賞。著書 『すぐに使えるシゴトの韓国語』 (アルク)、『シゴトの韓国語 基礎編』 『シゴトの韓国語 応用編』(三修社)、『リアルな日常表現が話せる! 韓国語フレーズブック』(新星出版社)など。翻訳書に『無礼な人にNOという44 のレッスン』(白水社)がある。
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