韓国の統一部は12日、2019年11月に南北軍事境界線がある板門店で北朝鮮漁民2人を北朝鮮に送還した際の写真を公開した。北朝鮮への送還を拒否する北朝鮮漁民(統一部提供)=(聯合ニュース)≪転載・転用禁止≫
韓国の統一部は12日、2019年11月に南北軍事境界線がある板門店で北朝鮮漁民2人を北朝鮮に送還した際の写真を公開した。北朝鮮への送還を拒否する北朝鮮漁民(統一部提供)=(聯合ニュース)≪転載・転用禁止≫
【ソウル聯合ニュース】2020年に黄海を漂流していた韓国の男性公務員が北朝鮮軍に射殺され燃やされた事件と19年に船内で乗組員16人を殺害して逃亡し韓国への亡命意思を示した北朝鮮漁民2人を北朝鮮に追放した事件を巡り、北朝鮮メディアは尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権が両事件を政治的に利用する「新北風」に走っていると批判した。「北風」とは韓国で北朝鮮リスクを指し、「北風」が吹くと北朝鮮脅威論が持ち上がり、保守派に有利になるとされる。

 北朝鮮の対外宣伝メディア「統一のメアリ」は13日、「尹錫悦とその一味が起こしている新北風に対する南朝鮮(韓国)各層の憂慮の声が日増しに高まっている」と主張し、両事件に言及。北朝鮮漁民の追放事件については「文在寅(ムン・ジェイン)政権が北の顔色をうかがい、不当な口実で強制的に(北朝鮮に)送り返した憲法違反の事件として世論を拡散させている」と批判した。また、「南朝鮮政権が直面している深刻な統治危機を免れるための旧時代的な狡猾(こうかつ)な策略」と主張した。

 対外向け週刊紙「統一新報」は9日、「尹錫悦一味が過去に発生した敏感な事件を掘り起こし、新北風に狂奔している」と非難。対外宣伝メディアの「黎明」も4日、尹政権が両事件を掘り起こしているとして、「新北風に狂奔しているのは文在寅殺しの一環」と主張した。


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