独メディア「The Voice of Germany」によると、ヨーロッパでは原油の精製能力が不足しており、輸入された原油から最低限必要なエネルギーを作り出すことができない。そのため、将来的にエネルギー問題に直面する可能性があるという。
記事はさらに、政界・経済界が真剣にエネルギー転換を図るためには、今からパートナー先を見つけて投資を進め、原材料の供給を確保しなければならないことを強調。その上で、「エネルギー転換は多くの人が望んでいることだ。太陽エネルギーと風力発電は化石燃料と非民主国家への依存を減らすことにつながる。しかし、風力発電や太陽エネルギーの関連設備、電気自動車などは大量の金属を必要する。そして、そのような金属の世界的分布は石油や天然ガスよりも偏っている」と指摘した。
続けて「最も良い例がレアアースだ。レアアースがなければ、風力タービンを回すこともできない。全世界のレアアース埋蔵量の60%は中国が占めており、レアアースの加工・精錬においても中国が80%のシェアを占めている」と強調した。
また、レアアース以外ではリチウム供給の問題にも言及。リチウムは現在、オーストラリアやカナダから輸出されているが、大部分は中国が輸入して加工している。
記事は、このような状況を踏まえてヨーロッパ各国がリチウムやレアアースの加工能力を高める必要性を強調。その上で「リチウムやその他の物質の(中国への)依存が政治的に利用されないと考えるのは、あまりに甘い考えだ」と警告している。
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