韓国大統領選挙に当選した尹錫悦氏は、対北メッセージに慎重な姿勢を保っている(画像提供:wowkorea)
韓国大統領選挙に当選した尹錫悦氏は、対北メッセージに慎重な姿勢を保っている(画像提供:wowkorea)
韓国次期大統領選挙に当選した野党第一党“国民の力”のユン・ソギョル(尹錫悦)氏は、選挙期間はばかることなく対北強硬メッセージを発していたが、当選後は慎重な姿勢を保っている。これは「大統領候補」から「当選者」という立場の変化によるものとみられる。当選者の外交メッセージが重要視されることに加え、ムン・ジェイン(文在寅)大統領の任期が残っていることから「現政権と異なる路線を示す」のを控えるという方針である。

米韓両政府は「北朝鮮が早ければ今週初めに実施する、新型ICBM(大陸間弾道ミサイル)性能試験のための発射準備」の兆候を捉え、監視していることが伝えられている。北朝鮮は今回、最大射程距離で発射する可能性が高い。

しかしユン氏は当選確定後から現在まで、北朝鮮のミサイル挑発に関する対北メッセージを控えている。「青瓦台(韓国大統領府 )のソ・フン(徐薫)国家安保室長が前日(13日)、ユン氏に『北朝鮮による核・ミサイルの動向が近づいている』と報告した」という報道について、ユン氏側の報道官はきょう(14日)の会見で「安保の懸案に関する事案は、公にお話ししたり、そのことについて確認することはできない」とし「今後もこれが原則となるだろう」として言及を控えた。

この報道官は、北朝鮮による挑発の動きについて「北朝鮮が、完全な非核化のための対話に出てくることを願う」という原則論を述べ「ユン氏はすでに、北朝鮮の飛翔体に関する見解を伝えているため、これ以上の見解表明はない」と語った。

ユン氏による最後の対北メッセージは、選挙前日(6日)SNSにあげた「今後、北朝鮮が衛星発射と称してICBMを発射する場合、国際社会から一層強力な圧力を受けることになるだろう」という内容である。

このことについてユン氏側の関係者は、韓国の新聞社“ヘラルド経済”に「選挙運動のときは国民の選択を受けるため、あらゆる事柄について見解を表していたが、いまや2か月後には大統領になるための準備をしている人物である」とし「特に外交に関する事柄については、見解すべてを明らかにはしないだろう」と語った。

また「現政府のメッセージが出されるのに、それに関して他のメッセージを伝えることは当選者の役目ではない」と語った。これは、文政権の任期が残っていることから、国内で異なるメッセージが発せられるのは、国益に合わないという判断によるものだとみられる。

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