北朝鮮の警備艇(資料写真)=(聯合ニュース)
北朝鮮の警備艇(資料写真)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の船舶と警備艇が8日、黄海上の軍事境界線にあたる北方限界線(NLL)を越えた。韓国軍は北朝鮮の船舶を拿捕(だほ)し、調査を行っている。北朝鮮の警備艇は韓国軍の警告射撃を受けて引き返した。 韓国軍の合同参謀本部によると、同日午前9時半ごろに黄海の白ニョン島から10キロの海上でNLLを越えて韓国側に入った全長約10メートルの船舶を確認し、警告通信を行ったが、船舶はNLLを越え韓国側に入った。 また、船舶を追っていた北朝鮮の警備艇がNLLに近付き、韓国軍が警告通信を行った。だが、警備艇はNLLを侵犯し、韓国軍の高速艇が40ミリ艦砲3発で警告射撃を行った。NLLを越え、約1キロ南下した北朝鮮の警備艇は警告射撃を受け、北朝鮮側に戻った。 北朝鮮の警備艇がNLLの韓国側にいた時間は約7分だった。 韓国軍は拿捕した船舶を白ニョン島付近にえい航し、関連当局と合同で取り調べ中だ。 船舶には7人が乗っており、6人は軍服を着ていた。武装はしていなかったという。 乗組員は「引っ越しの荷物を運ぶ途中、航路を間違えた」と供述しており、韓国に亡命する意思もないという。手続きに則って北朝鮮側に引き渡されるとみられる。 偶発的だったとみられるが、北朝鮮の警備艇がNLLを侵犯するのは2016年以来となる。北朝鮮の警備艇は軍艦の一種で、漁業指導船の取り締まり船などと異なる。このため、韓国軍は万一の事態に備えるなど、緊張を高めていたという。当時、北朝鮮側の海岸砲門の一部が開いたもようだ。 軍の消息筋によると、韓国軍の警告通信に対し、北朝鮮側は「返せ。漁船だ。拒否すればすべての事態の責任はそちらにあり、安全も担保できない」という趣旨の通信を行った。
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