健康保険料の収益を誇った文大統領、「文在寅ケア」を巡り与野党で攻防=韓国(画像提供:wowkorea)
健康保険料の収益を誇った文大統領、「文在寅ケア」を巡り与野党で攻防=韓国(画像提供:wowkorea)
韓国保守系野党「国民の力」のイ・ジュンソク(李俊錫)代表は、革新与党「共に民主党」のコ・ミンジョン(高旼廷)議員が、健康保険による昨年の財政収支を掲げて、文政権の業績を誇ったことについて、「これを自慢するとは意外だ」と批判した。26日、アジア経済新聞など複数の韓国メディアが報じた。

 この攻防の一端は、文大統領が25日、フェイスブックに「国民の医療費負担を下げる"健康保険の保障性強化"、いわゆる文在寅ケアを代表政策として強く進め、支出を大幅に広げたにもかかわらず、健保財政の状況はむしろ良くなった」と書き込んだことによる。

 これについて、与党の高議員がフェイスブックに「文在寅ケアで健康保険財政が破綻すると言っていた野党議員へ」と題し、「累積積立金が20兆2000億ウォン(約1兆9485億円)を超えた。文政権発足当時より多い金額だ。すなわち文在寅ケアで国民の医療費負担は下がり、健保財政はご覧のように健全になった。こういうのが実力」と自慢した。

 李代表はフェイスブックに載せた高議員のコメントを共有し、「後で返してもらえる年金でもなく、社会保険料が残るというのは不必要な国民のお金、膏血(こうけつ)を搾り取ったという話だ」とし、「これを自慢だと載せるのは意外」と皮肉った。

実際、文在寅ケア(健康保険の保障性拡大)の影響で、国民が負担する健康保険料が急増している。24日に開かれた健康保険政策審議委員会によると、昨年1年間の健康保険収入は80兆4921億ウォン(約7兆7644億円)で、2017年に比べて4年間で40.8%も増加した。同期間、正社員労働者の賃金上昇率(16.8%)の3倍に達している。

 韓国経済新聞25日付社説でも文在寅ケアについて、このように批判した。

 健康保険料の負担が急増した理由は、財源対策のない健康保険の保障性の拡大にある。現政府は「病院費の心配のない心強い国」というスローガンを掲げ、就任直後から文在寅ケアを推し進めてきた。5年間で30兆6000億ウォン(約2兆9517億円)を投入し、2017年62.7%だった健康保険の保障率を2022年70%まで高めるという構想だった。しかし、政府の支援はむしろ減らされた。健康保険法上、健保予算の20%を国庫で支援するように規定されているが、支援額は14%台に止まっている。加入者の負担が大きくなるしかない設計だ。
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