北朝鮮に送るコメをペットボトルに入れるクンセムの関係者(資料写真)=(聯合ニュース)
北朝鮮に送るコメをペットボトルに入れるクンセムの関係者(資料写真)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国の統一部がペットボトルに入れたコメを海に流して北朝鮮に送る活動を行った脱北者団体「クンセム(大きな泉の意味)」の非営利法人の設立許可を取り消したのは不当との判決について、同部は控訴しない方針を決めた。政府消息筋が15日、明らかにした。

 ただ、同部の当局者は「今回の訴訟はクンセムの非営利法人設立許可の取り消しが適切なのかを争うもので、北に物資を送る行為の正当性を争う訴訟ではなかった」と述べ、北朝鮮に物資を送る行為は不適切との従来の政府の立場は撤回しない考えを示した。

 統一部は昨年7月、北朝鮮体制を非難するビラを散布した脱北者団体「自由北韓運動連合」とクンセムについて、南北国境地域の住民の生命と安全を脅かすほか、朝鮮半島に緊張状態をもたらすなど公益を害し、団体の設立目的にも反するとして設立許可を取り消した。

 当時、北朝鮮は団体のビラ散布などに反発し、南北通信連絡線を遮断するとともに開城にあった南北共同連絡事務所を爆破し、南北関係の緊張が高まっていた。

 両団体は設立許可の取り消しを不服とする訴訟を起こした。ソウル行政裁判所は今月1日、ペットボトルに入れたコメを北朝鮮に送る活動は公益を害し設立目的に大きく反するとは認められないとして、処分を取り消すよう言い渡した。「朝鮮半島に緊張状況がつくられ、住民の生命と安全(問題)が引き起こされたのは基本的に北の政権の挑発脅威に起因するもの」と説明した。

 だが、同裁判所は9月30日、自由北韓運動連合に対しては「軍事的な緊張状態を高め、政府の(南北)統一政策の推進に重大な支障をもたらした」として、設立許可の取り消しは不当ではないとの判決を言い渡し、同団体が控訴している。


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