(画像提供:wowkorea)
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東京オリンピックは閉会したが、新種目「スポーツクライミング」のボルダリングの決勝で使われた第3課題が「旭日旗」を連想させると問題提起され、韓国で益々騒動になっている。

プロ登山家であり、韓国公共放送局「KBS」のスポーツクライミング解説委員でもあるキム・ジャイン(金慈仁)氏の問題提起の発言のことだ。

彼女は、自身のSNSに第3課題の構造物と旭日旗のイメージを一緒に掲載し、「ボルダリング第3課題のこのデザインについてどう思う?」と問いかけていた。彼女は「韓国スポーツクライミングの女帝」と言われている人物であり、その影響力の大きさで早速論争となっていた。日本でも「反日教授」として有名なソ・ギョンドク(徐坰徳)教授も、早速この論争に参戦し声を高めている。

キム・ジャイン氏は何故、このような問題提起をしたのだろうか?まずは彼女の言葉をそのまま翻訳してみた。閉会式の日、彼女が自身のSNSに韓国語と英語で自ら公開した内容である。

「私は日本のクライマーと選手たちにどのような悪感情もありません。 しかし、オリンピックのスポーツクライミング男子決勝ボルダリング第3課題については、必ず話すべきだと思います。ルートセッターがどの国の人なのか、そして、彼らは、ルート設定をする際に旭日旗を意図したのかは、この映像をご覧になった皆さまのご判断にお任せします。」

ここまではある程度の客観性が保ってられているようにも思われる。

「そこには大会を作る数多くのオフィシャルスタッフがいましたが、誰もそのことについては、最小限の注意を払っていません。 さらにオリンピック・ブロードキャスト公式解説者は、その問題のデザインを『Japanese rising sun(日本の旭日)』そして『the image depicts rising sun(旭日を描写するイメージ)』と直接的に言及しました。 解説者は運営スタッフからのルートに関する情報を十分に受けてから中継を進行するので、これは解説者の個人の考えではないでしょう」

運営スタッフから公式解説者に何かの説明が伝わっていたのかは確実ではないが、一理のある推測だと思われる内容だ。しかし、その次の彼女の主張は客観性に欠けている。

「旭日旗は日本が第二次世界大戦の期間中に使用した旗で、日本軍国主義を象徴する戦犯旗です。日本帝国主義の侵略被害国に、旭日旗はドイツ・ナチスの象徴であるハーケンクロイツ(Hakenkreuz、鉤十字)と違いがないので、旭日旗はいつも韓国を含む被害国らと日本との間の深刻で敏感な問題です」

この部分は彼女の勝手な思想によるものであり、客観的な内容ではない。今の所、「旭日旗=戦犯旗」と主張しているのは韓国の一部勢力であり、その一部勢力が韓国を代表することは出来ない。戦争の当時、朝鮮半島に対する徴兵制度だけでなく、数万人の青年が自ら日本軍に志願していた韓国の「不都合な史実」は別としても、彼女が「被害国」と主張する他の国々が「旭日旗=戦犯旗」と一般的に考えている訳ではない。

「ハーケンクロイツ(鉤十字)」が世界的に禁止されている理由は「戦争行為」ではなく、その旗の政治理念の下、「大量虐殺」が行われたからであることをキム・ジャイン氏は知らないようだ。彼女は続けて言う。

「もし彼らがこのような歴史と外交について少しだけ理解すると旭日旗の形がカッコ良いという考えはしないでしょう。オリンピック憲章の第50条。オリンピック関連施設とオリンピック競技が開催される地域の中で政治的、宗教的、人種的デモや宣伝を許可しない。IOC(国際オリンピック委員会)は旭日旗に対しても政治的、宗教的、人種的な宣伝を許さないオリンピック憲章を適用すると約束した事があります」

IOCが旭日旗に対して何かを約束したとのことは、恐らく韓国選手団が選手村に飾っていた「横断幕」撤去と関係あるように思われるが、韓国選手団の解釈はまだIOCの公式指針ではないようで、判断が早すぎる。キム・ジャイン氏の言う「IOCの約束」が本当だとしても、彼女の言葉が成立するためには、論理的に次のような4つの証明が全て成立する必要がある。

(1)「第3課題の螺旋デザイン=旭日デザイン」を証明。
(2)「旭日デザイン」に何か政治理念が入っていることを証明。
(3)「旭日デザインの政治理念=旭日旗の政治理念」を証明。
(4)「旭日旗=戦犯旗=鉤十字の下の大量虐殺」を証明。

キム・ジャイン氏は最後にこのように言う。「もし彼らがオリンピック精神を守ろうとするなら、オリンピックの舞台で、そのデザインとそのコメントは絶対に使ってはならず、それに関連した責任者は謝罪すべきです」

このように彼女が「責任者の謝罪」を要求するほどなら、彼女は先ず上の4つ全ての証明をしないといけない。日本のNHKに該当する韓国KBSの解説委員であれば、税金に近い形で徴収される視聴料に対する責任がある。韓国や韓国国民に対する責任があるとのことだ。

美しいフォルムのクライミングで「韓国スポーツクライミングの女帝」と言われている彼女。責任者への謝罪要求の前に、美しい論理で4つの証明課題を行うべきだ。KBSの解説委員ならば、反日政治理念に嵌まり、根拠のない無責任な煽動をしてはいけない。韓国の「国格」を傷つけるだけだ。
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