(画像提供:wowkorea)
(画像提供:wowkorea)
韓国の通信社・聯合ニュースが、世論調査会社・韓国ギャラップによる世論調査結果として開会の時点で伝えたところによると、東京五輪に「関心がある」と回答した韓国人は32%にとどまった。

チョン・ジェヨン の最新ニュースまとめ

記事によると、調査は20~22日、韓国全土の18歳以上の1003人を対象に実施。東京五輪について、「関心がある」は32%、「関心がない」は66%という結果となり、1992年以降の主要五輪の中で最低水準の関心度だという。2012年のロンドン大会前は59%、2016年のリオデジャネイロ大会前は60%の関心度だった。

一方で東亜日報は開会前、五輪に関心を寄せる韓国人の声を紹介している。

韓国では、新型コロナウイルスの「第4波」に見舞われており、感染の再拡大を受けて、再び在宅勤務に切り替えた会社員も少なくない。記事が紹介している29歳の会社員も在宅勤務を開始。同紙の取材に「テレビをつけ、メッセンジャーやメールを処理しながら、目立たないように観る」と話した。在宅勤務となったことで、仕事に励みつつ、五輪中継にも目を向けられると期待している。

34歳の会社員も五輪に関心を寄せる一人だが、開幕前「韓日関係が良くないので五輪を楽しみにしていると表に出して言えない」と複雑な事情を明かした。

記事は「コロナと冷え込んだ韓日関係の影響で、五輪の熱気はいつもとは違う状況だ」としながらも、「それでも五輪観戦を楽しみにしている人も少なくない」、「愛国心を基盤にスポーツ競技を楽しむ絶好のチャンスと考えているのだ」などと伝えている。

韓国の公共放送KBSは、34種目について生中継し、野球とサッカーについては、全試合を東京からライブで伝える。7日の記者会見でKBSスポーツ局のチョン・ジェヨン局長は「公共放送KBSが今まで経験したことのない特殊中継に挑む」と意気込みを語った。

チャンネルの第1放送、第2放送のほか、モバイルプラットフォーム「myK(マイケイ)」を使って試合の生中継、録画放送を行う。KBSは65人の特別チームを編成して大会の模様を伝える。

また、韓国ネット大手のネイバーは、今大会のオンライン中継権を確保した。オンライン中継権とは、一般中継権を保有する地上波3社に中継権を支払うことで得られる映像中継権のこと。ポータルサイトのネイバーに五輪特集ページを開設。主要競技を生中継するほか、ハイライト映像を提供する。代表選手に応援メッセージを送れる機能なども備えている。

コロナ禍で開催される五輪でも各媒体が中継や映像配信に力を入れるのは、一定の需要を見込んでのことだろう。

ムン・ジェイン(文在寅)大統領は22日、SNSに「スポーツが持つ癒しと和合の力を信じている。国家的に困難な時期に、国民たちはスポーツを通じて慰められ、感動し、一つになる」と書き込み、代表選手たちの活躍が、コロナ禍で沈みつつある国民に力を与えてくれることを期待した。

韓国は今大会で「金メダル7個以上、総合10位以内」を目標に掲げており、アーチェリーなどでメダリストも続々と誕生している。愛国心の強い韓国にあって、自国の代表選手の活躍に無関心ということはないだろう。

リアルタイム視聴率調査会社ATAMが明らかにしたところによると、今大会で韓国に初のメダルをもたらしたア-チェリー混合団体決勝は、生中継した韓国の地上波3社(KBS、MBC、SBS)の視聴率が計15.03%だった。サッカー組別リーグ戦の場合は、25日の視聴率合計が29.41%、28日の合計は26.2%だった。

前述の会社員の話にあるように、悪化した関係にある日本で開催されるオリンピックだけに、声高に「関心がある」と言えないだけなのかもしれない。毎週の大統領支持率を含め、韓国の世論調査は母集団に合わせて統計学的な標本を抽出し、主に携帯電話を通じて調査を行う。2万人程度の標本に対して機械的に電話をかけると、1千人あまりが答えてくれるので、これが統計処理され結果が発表される。

普通の調査なら統計学的な処理で信頼性が高くなるのでそれほど問題は起きない。しかし、政治色の強い世論調査の場合、電話番号で個人の特定が可能になる可能性もあり、不利益の心配が想定できる。標本になって調査に応じても本音を言わないか、そもそも調査に応じない可能性が高くなるので、調査結果に歪みが発生する可能性が出てくる。

特に「反日」を叫ぶ政権の下、「親日」とまでいかなくても日本に対して友好的な発言を公にするだけで「非国民」扱いされることも現実である。日韓関係の改善を期待する韓国人がどれほど世論調査に応じているのかは確認できない。しかし、世論調査と視聴率を比較する限り、「本音が言えない」韓国の現実も伺える。

Copyrights(C)wowkorea.jp 6