米国務省のシャーマン副長官(画像提供:wowkorea)
米国務省のシャーマン副長官(画像提供:wowkorea)
ことし3月に開かれた米アラスカでの会談から 4か月ぶりに対面した米国と中国は、依然として「強対強」の対決構図を続けている。

米国は 中国の弱点ともいうべき「新疆ウイグル自治区と香港」の人権問題を提起し、中国は 米国の「新型コロナウイルス感染症による死者数」を問題視することで、正面からぶつかった。ただ 専門家たちは「このような衝突は、極度の対立へと進まないための “偵察戦”だ」とみている。

26日(現地時間)ニューヨークタイムズ(NYT)は、中国・天津を訪問した米国務省のウェンディ・シャーマン副長官にインタビューを行ない「今回の会談が 中国側の大々的な批判により始まり、両国の意見の違いを縮めることができずに終わった」と報道した。

シャーマン副長官は インタビューで「両国間の多様な紛争を扱った」としながら「人権と政治的自由が制限されている香港、収容所および再教育センターが稼働中である新疆ウイグル自治区が含まれていた」と説明した。シャーマン副長官は「我々は、意見の違いが大きな分野では 互いにかなりストレートに話し合った」と伝えた。

シャーマン副長官は「中国国家安全部がマイクロソフト(MS)のEメールシステムをハッキングし、その他のサイバー攻撃の背後にいるということを指摘した」と付け加えた。つづけて「中国国家安全部は、MSをはじめとして他の人をハッキングすることを潜在的に助けている」とし「このような行動は、絶対に無責任で無謀だ」と批判した。また「多くの国々が米国に合流している」と付け加え、中国に圧力をかけた。

このことに対して 中国も黙ってはいなかった。中国外務省の謝鋒 外務次官は、シャーマン副長官との会談で「米中関係は膠着状態に陥(おち)っており、これは 米国の一部の人々が中国を『仮想の敵』とみていることが根本的な原因だ」と批判した。

特に 新疆ウイグル自治区問題に関しては、正面から応酬(おうしゅう)した。謝次官は「米国はまず、自分たちの人権問題をきちんと解決すべきだ」とし「歴史的にみると 原住民の部族を滅亡させ、現実的にみると 消極的な新型コロナ防疫により 62万人の米国人を死に至らしめた」と指摘した。つづけて「米国は何の根拠があって、全世界の民主人権の代弁者を自認しているのか」と問い、対中政策を変えることを求めた。

シャーマン副長官は 王毅 国務委員兼外相とも会い、北朝鮮と核拡散やミャンマー問題など、両国政府が協力できる世界的懸案について話し合った。

一方 シャーマン副長官は、新型コロナ起源調査のためのWHO(世界保健機関)による調査を拒否した中国に圧力をかけた。ただ シャーマン副長官は「しかし 私がみるに、はっきりと 私の願うような答えを得ることはできなかった」と語った。

専門家たちは「今回の会談は、米国が 中国の願うことを明確に把握し、誤判を減らすために行われたものだ」とみている。「現在の衝突基調が、一層 危険な対決局面へと進まないための先制的な措置だ」という分析である。

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