(画像提供:wowkorea)
(画像提供:wowkorea)
東京五輪サッカー男子の1次リーグが22日、始まった。韓国は茨城カシマスタジアムでニュージーランドと対戦し、0-1で敗れた。この試合が、韓国選手団にとって東京五輪の競技の初舞台となったが、好発進とはいかなかった。

韓国が入っているグループBにはニュージーランド、ホンジュラス、ルーマニアが属している。強豪国はいないとされ、韓国は「天国の組」に入ったとの見方が出ていた。

4月に組み合わせが決まった際には、韓国スポーツ紙「スポーツコリア」は「難しい相手とされたフランス、メキシコ、アフリカのチームを全て避けた最高の結果になった」と伝えていた。そんな予想とは裏腹に黒星スタートとなった韓国。優勝・メダル獲得という観点からも厳しい見方が出ている。

ここで注目したいことは試合後の出来事。韓国に勝った直後、ニュージーランド選手が韓国選手に握手を求めた。お互いが体をぶつけながらも最善を尽くしても、試合後にはお互いに「同志意識」が生まれるのがスポーツの素晴らしいことであり、それが人類のスポーツマンシップである。しかし、韓国選手は相手の握手を拒否、その様子はテレビで韓国に生中継された。

英国のブックメーカー「ウイリアム・ヒル」は20日(現地時間)、最新の優勝オッズを更新した。それによると、優勝オッズは1位がスペインで2.87倍。2位ブラジル(3.75倍)、3位フランス(6.00倍)、4位日本(9.00倍)と続き、韓国は7位で21倍となっている。

また、同じく英国のブックメーカー「パディー・パワー」によるメダルオッズでは、スペインが0.33倍でトップ。フランス(0.53倍)とブラジル(同)が続いた。韓国は7位で4.5倍となっている。

さらに、ドイツのサッカーデータサイト「トランスファーマルクト」は21日(現地時間)、出場する16か国の評価額を算定して公開。評価額が最も高かったのはスペインで5億6300万ユーロ(約729億円)だった。日本は8位で7775万ユーロ、韓国は9位で2948万ユーロだった。

この結果に、韓国メディアは即座に反応。イーデイリーは21日、「東京五輪男子サッカー日本代表チームの価値額が、韓国代表より2倍以上高いという評価結果が出た」と伝えている。

2012年のロンドン五輪での銅メダル獲得に続く、2度目のメダル獲得を目指す韓国。チームの選手の中には、結果がその後の自身の競技人生を左右しかねない選手もいる。

韓国では男性は18~35歳までに21か月の兵役に就くことが義務付けられているが、五輪のメダリストやアジア大会で優勝した選手は免除される。

メダル獲得を果たし兵役免除となるか注目されているのが、スペインのクラブチーム「バレンシアCF」に所属のMFイ・ガンイン(李康仁)選手だ。イ選手は幼い頃から「サッカー神童」と呼ばれ、10歳でスペインに渡り、バレンシアでキャリアを積んできた。

2001年生まれで左利き、スペインのプロサッカーリーグ「ラ・リーガ」に所属しているという共通点から、五輪の日本チームメンバーの久保建英選手と比較されることが多い。

一方、金メダルを獲得すれば、褒賞金が待っている。サッカーの場合、個人の金メダリストが受け取る褒賞金の75%に相当する4725万ウォン(約450万円)が贈られる。

一時期、韓国内からは「東京五輪ボイコット」の声も上がったが、兵役免除や褒賞金といったモチベーションの向上材料が用意されている中で、選手たちにはボイコットなどという選択肢は初めからなかっただろう。

スポーツを「国威宣揚」のツールとしている現実は仕方のない部分がある。しかし、韓国サッカー代表の2011年の「猿真似」、2012年の「政治主長」、2021年3月の「攻撃性の肘打ち」、昨夜の「握手拒否」など、スポーツマンシップに背く行為だけはやめてもらいたいところだ。

幸いにもこれから希望が持てる現象も起きている。昨夜の生中継の後、握手を拒否した韓国選手に非難の嵐が韓国で起きていること。敵意よりスポーツマンシップを優先するようになったこの現象は、今年3月のサッカー日韓戦で韓国選手の「攻撃性の肘打ち」被害者・冨安健洋選手が「故意ではないと信じている」とコメントした大人の対応が韓国で大きく報じられたことと関係があるかもしれない。

Copyrights(C)wowkorea.jp 6