コロナ治療薬として開発中の「イベルメクチン」とはどんな薬?(画像提供:wowkorea)
コロナ治療薬として開発中の「イベルメクチン」とはどんな薬?(画像提供:wowkorea)
コロナ渦で注目されている薬がある。これまで寄生虫薬として使われてきた「イベルメクチン」だ。レムデシビルも元々はエボラウイルスの治療薬として開発されたことを考えれば、開発の可能性はある。

世界中ででイベルメクチンをコロナの治療薬として使用する臨床試験が進行中だ。最近、英国オックスフォード大学はイベルメクチンをコロナの治療薬として使用するための臨床試験を開始した。オックスフォード大学で行われた小規模試験では、イベルメクチンをコロナ軽症患者に投与するとウイルスの複製が抑制され、ウイルス負荷が減少することが分かったという。日本の興和は北里大学と共同でイベルメクチンがコロナの治療に効果があることを確認するための臨床試験に着手すると発表した。

イベルメクチンは、元々の寄生虫を死滅させる薬だ。中南米やアフリカなどでは殺虫剤として使用され、韓国内では虫除けには使用されず、寄生虫を除去する効果を利用して、顔面紅潮を引き起こす炎症性注射治療のための塗り薬として活用されている。

薬学情報院によるとイベルメクチンは、使用者の1〜10%にみられる一般的な副作用として、局所的な灼熱感と皮膚刺激があるという。使用者の1%未満にみられるまれな副作用としては、アレルギー性皮膚炎、結膜炎、接触性皮膚炎、眼刺激、眼充血、頭皮脂漏性皮膚炎、皮膚の乾燥などが報告されているが深刻な副作用はない方だ。

ただし、18歳未満の小児に対する安全性と有効性は確立されていない。妊婦や授乳中の母親も定められた用法と容量に応じて皮膚に部分的に使用すれば、胎児への影響は非常に低いという。しかし妊娠期間には使用を避けることが推奨されている。

韓国では経口剤としては使用されていないが、服用する場合には深刻な副作用が発生する可能性がある。過剰に服用すると、視力障害を起こし中枢神経系に影響を与える可能性があるといわれている。他の薬と併用した場合も、急激な血圧降下、肝臓の損傷、嘔吐、下痢などを引き起こす可能性があると報告された。

イベルメクチンはインド、ブラジルなどの一部の発展途上国では、コロナの治療薬として既に使用されている。一部の東南アジア諸国ではイベルメクチンは品薄状態だという。

しかし世界保健機関(WHO)は、より多くのデータを確保するまではイベルメクチンを臨床試験にのみ使用するよう勧告している。

イベルメクチンは日本の大村智氏が1970年代に静岡県で採取した土壌から発見した「放線菌」と呼ばれる新種の細菌から由来した。その後、寄生虫感染症の治療薬として開発され、世界的に知られている。この功績で大村氏は2015年、ノーベル医学生理学賞を受賞した。

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