東京電力元職員「福島原発爆発事故は防げたかもしれない」=韓国報道(画像提供:wowkorea)
東京電力元職員「福島原発爆発事故は防げたかもしれない」=韓国報道(画像提供:wowkorea)
2011年福島原子力発電所の爆発事故が予見された事故であったという東京電力の元職員の良心宣言が出た。

福島原発運営会社である東京電力の幹部候補にもあがったことがある元職員Aさんは5日、日本朝日新聞とのインタビューで、「原発事故は当然起こりうる事故だった」と述べた。 

バブル期に入社して順調に出世コースを歩いていたAさんは、入社後ずっと東京電力の司令塔とされる企画部で働いた。Aさんの人生は、2011年3月11日午後2時46分の事故を機に大きく変わったと、朝日は伝えた。 

彼はインタビューで、「当時私が見た光景は、東京電力が全く想定していない事態だった」とし「1号機の原子炉建屋が爆発し、14日午前に3号機、15日午前に4号機の原子炉建屋が相次いで爆発したが、13号機がメルトダウンするという前例のない事故だった」と回想した。 

事故後も経営陣らは、リスクを事前に認知していたという事実を隠すことだけに追われていた。

Aさんは、事故発生から3か月後、東京電力独自の調査報告書をまとめするよう命令を受けた。当時報告書の草案に事故原因を書こうとすると、勝俣恒久当時会長は「事実に基づかないものは書く必要がない」「なぜ君が勝手に決めるのか」と非難した。

彼はこのような会長の態度が「『事故は天災地変で防ぐことができなかった』というシナリオを要求しているように感じられた」と述べた。

彼は「安全神話」も事故原因と指摘した。彼は2004年に危機担当部署にいたとき、原子力担当者に「どのような原因で原発が事故を起こし、放射能が外部に流出されるのか、リスクシナリオがあるのではないか」と質問した。これは旧ソ連のチェルノブイリと米国のスリーマイル島原発事故を念頭に置いた質問だった。

しかし、返ってきた答えは、「そのようなリスクはない」であった。Aさんが納得できず繰り返し質問すると、担当者は「そのようなリスクは全て排除されたのだからあり得ない。安全は既に確立されている」と断言した。

彼は「危機担当部署は想定できる最も重大で影響度の高いリスクを各部門から見極めることが任務だった」とし「その時、もっと熱心にリスクを引き出すことができていれば、原発事故は防げたかもしれない」と後悔した。

 事故から10年が過ぎた今、東京電力旧経営陣3人が業務上過失致死傷罪で起訴された刑事裁判(1審は無罪判決)では、最大規模の津波を予測し対策を講じるべきだったかをめぐり争いが続いていると、朝日は伝えた。 

Aさんは、数年前、東京電力を退社した自分があえて今回のインタビューに応じたのは、再び同じ過ちを犯さないでほしいという思いからだと述べた。彼は「事故後、安全重視の文化が本当に東京電力に定着したのか。事故を教訓に、本当に変わったと言えるのか、私には分からない」と述べた。

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